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高齢者の「フレイル」について知る

QOLを高めることが大切

実は、聞いたことがなかったフレイルという言葉。介護が必要になるまでに起こる兆候のようで、もし私が知っていれば義父のための予防策を考えて、少しでも介護までの時間を遅らせることができたかもしれませんね。

今回は、フレイルとは何かについての基礎知識やフレイルの兆候、予防のポイントについてご紹介していきます。
高齢のご家族をお持ちの方に、ぜひ参考にしていただきたいページです。

フレイルとは

フレイルとは、健常な状態から要介護へ移行するまでの中間の段階をあらわした言葉です。
高齢者は、病気や転倒などのちょっとした事故によって突然要介護状態に移行する場合もありますが、多くの場合がフレイルの時期を経て、徐々に要介護状態へ入ると考えられています。

フレイルは身体機能の衰えに限ったことを指すわけではありません。認知機能障害といった脳機能の低下やうつなどのメンタルヘルス、経済的困窮など、多くの要因が含んだ概念です。

身体的な要素のみに着目するのではなく、認知機能や社会的な孤立など、高齢者にかかわる問題をひとまとめに考え、全体的に把握しようとするものです。
特に、高齢者はフレイルの時期に身体や精神にダメージを受けると、回復する力が弱くなってストレスに対しても抵抗が弱くなります

広範囲の問題をいち早く発見して早期支援を行なうことで、多くの高齢者の生活やQOLを高めることが大切と考えられています。

フレイルの原因

フレイルには特定の要因があって引き起こされるものではありません。加齢によって心身が変化し、社会や環境的な要素が重なり合うことによって起こると考えられています。

一例として挙げるなら、外出が少なく、動くことが少なくなるのはフレイルの要因です。筋力が低下して筋肉量が減るため、疲れやすくなります。放っておくと運動機能ばかりでなく認知機能の低下も招く恐れがあるため注意が必要です。

また、社会的な交流機会が減ることも要因の一つと考えられます。社会的に孤立すると、うつなどの精神障害や認知機能の低下を招きます。外出せず特に何もしていないのに疲れやすい、元気がなくなるといった状態の高齢者は、フレイルを疑い、早急に対策を講じなくてはなりません。

フレイルを予防するためにできること

フレイルや介護を予防するには、持病の進行、とくに生活習慣病を予防しながら運動機能や認知機能の低下を防ぐことが大切。また、孤立せず、社会的な関わりを保ち続けることも重要です。

趣味のサークルでつながりを作るなど、人と関わる機会を積極的に作るようにしましょう。
どうしても新しい環境が苦手という方は、まずは家族や親しい友人と一緒に食事をとることからはじめてみてください。