家族でできるリハビリ体操

コグニサイズとはどんな体操か
コグニサイズとは、身体を動かしながら認知機能を刺激するトレーニングの一種です。たとえば足踏みをしながら簡単な計算を声に出すなど、運動と認知課題を同時に行うことで、脳と身体の双方を効果的に活性化させます。近年、高齢者の認知症予防や健康維持のためのプログラムとして注目されており、デイサービスや地域のサロンなどでも取り入れられることが増えています。
このコグニサイズを家族で楽しむことで、要介護者のリハビリをサポートできるだけでなく、一緒に暮らす人々がコミュニケーションを深める機会にもなるといわれています。難しい道具は必要ないので、自宅のリビングや庭先など、少しスペースがあれば気軽に始められます。
やり方の基本と注意点
コグニサイズの具体的なやり方としては、たとえば椅子に座って足踏みをしながら「7から連続して3を引く」などの計算を行う方法があります。動きは小さくても構わないので、指先やつま先を意識して動かすと筋力の維持に効果的です。ほかにも、手拍子をしながらしりとりをする、左右交互に足を上げながら簡単な単語を言うなど、組み合わせは自由にアレンジできます。
大切なのは、ご本人の体調や認知機能に合わせて難易度を調整することです。あまり複雑な課題を出すと混乱してしまったり、体力が追いつかず挫折感を与えたりするリスクがあります。無理のない範囲でゆっくり進め、できたときにはしっかり褒め合うことが、長続きの秘訣です。
家族で取り組むメリット
家族全員でコグニサイズに取り組むと、コミュニケーションの機会が増え、「一緒に何かをやり遂げた」という達成感を共有できる利点があります。特に、高齢者本人が意欲を失いがちな状況でも、周りが楽しそうに参加していると自然とやる気が高まることが多いです。また、体操を通じて笑顔や会話が増えると、介護者のストレス緩和にも繋がります。
さらに、コグニサイズは若い世代の脳トレにも有効とされています。日常生活の中で意識的に運動と認知課題を組み合わせることで、全世代の健康維持に寄与する点が魅力です。たとえば、子どもや孫と一緒にしりとりや簡単な暗算を楽しむなど、家族みんなが関われる方法を試してみると良いでしょう。
コグニサイズは特別な道具を必要としないので、在宅介護の合間に気軽に取り入れられます。ご本人の状況に合わせて回数や時間を調整しつつ、楽しく長く続けることを意識すると、リハビリの効果だけでなく家族の絆も深められるでしょう。