在宅介護中の災害対策
在宅介護の防災は生き延びる準備が9割
テレビで災害のニュースを見るたび、「もし今、ここで地震が起きたら…」と想像して、背筋が凍る思いをすることはありませんか?
私たちのような在宅介護世帯にとって、災害は健常者のご家庭以上に深刻な、まさに命に関わる問題です。
ベッドで寝たきりの親をどうやって連れ出すか。電気が止まったら、電動ベッドや吸引器はどうなるのか。避難所でオムツ交換なんてできるのだろうか。
不安を挙げればキリがありませんが、だからこそ平時の準備が明暗を分けます。いざという時にパニックにならず、大切な家族を守るために。
私が実践している、要介護者に特化した防災対策をお伝えします。
介護食のローリングストック
一般的な防災セットに入っている乾パンや缶詰は、噛む力が弱い高齢者には食べにくい、あるいは危険な場合があります。
「避難所に行けば何かしらもらえる」と思いがちですが、流動食や介護食がすぐに配給されるとは限りません。
最低でも3日分、できれば1週間分、ご本人が普段食べ慣れているものをストックしておきましょう。
- レトルトのお粥・介護用食品:温めなくても食べられるパウチタイプが便利です。
- とろみ剤:水分補給が命綱です。使い慣れたメーカーのものを多めに。
- 常備薬とお薬手帳のコピー:薬が切れることは、持病がある高齢者にとって致命的です。予備を常に持ち歩くか、避難用リュックの最前面に入れておきましょう。
これらを日常的に使いながら買い足すローリングストック方式なら、賞味期限切れも防げますよ。
避難経路と移動手段のシミュレーション
ハザードマップを確認するのは基本ですが、介護家庭ではそこまでどうやって行くかが最大の難関です。
車椅子でのルート確認
普段通っている道でも、地震でブロック塀が崩れたら通れなくなるかもしれません。道幅が広く、安全なルートを複数確認しておきましょう。
福祉避難所の登録
一般の体育館などでの避難生活が困難な高齢者や障害者のために、福祉避難所という施設があります。
ただし、ここは災害直後に直接行けるわけではなく、まずは指定避難所に集まってから振り分けられるケースが一般的です。
お住まいの自治体がどのような運用をしているか、事前に役所で確認し、必要なら事前登録を済ませておきましょう。
災害時に役立つ情報収集サイト
災害時はデマや憶測が飛び交います。特に医療や介護が必要な場合、正しい判断をするために信頼できる公的な情報源を知っておくことが重要です。スマホにブックマークしておきたい、おすすめのサイトを2つご紹介します。
NHK「福祉情報サイト ハートネット」
NHKが運営する福祉ポータルサイトです。
特に「災害時 障がい者のためのサイト」というページでは、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、そして高齢者など、特性ごとにどのような備えが必要か、避難所でどう過ごすべきかといった具体的なノウハウがまとめられています。
健常者向けのニュースでは流れない、きめ細やかな情報が得られるので、一読しておくことを強くおすすめします。
国土交通省「重ねるハザードマップ」
自分の住んでいる場所に、どのような災害リスクがあるかを一目で確認できるサイトです。住所を入力するだけで、洪水、土砂災害、津波などのリスク情報を地図上に重ねて表示できます。
「うちは高台だから大丈夫」と思っていても、実は土砂災害警戒区域だった、ということもあります。ご自宅だけでなく、通所しているデイサービスや病院周辺のリスクも併せて確認しておくと安心ですよ。
備えあれば憂いなしといいますが、介護における防災は「備えても憂いは尽きない」のが正直なところかもしれません。それでも、準備した数だけ、不安は確実に減らせます。
今日からできることを、一つずつ始めていきましょう。
