体位変換・移乗
寝たきりではないものの、1日の大半を横になって過ごすことも多くなったうちの義父。
でも、将来もし寝たきりになってしまったら、あの大柄な体を持ち上げることはできるんだろうかと心配しています。
寝がえりが打てないと、血流が悪くなったり床ずれを起こしたりすることも多いようなので、今から少しずつでも学んでおきたいですね。
今日は、介護の基本スキルのひとつ、体位変換や移乗について調べていきたいと思います。
体位変換とは
体位変換とは、自力で身体の向きを変えることが難しい人の体位を変えることです。
身体が自由に動く人は、意識せずとも寝ている間に寝返りを何度も打ち、身体の位置や姿勢を変えています。
しかし、体の不自由な方や高齢者は自分で寝がえりを打つことができません。
寝がえりを打たないと、長時間体の同じところに負担がかかってしまい、体に悪影響を及ぼします。それを防ぐためにも他人の力による体位変換が必要です。
移乗とは
介護や看護でいう移乗とは、ベッドから車いすへ移動したり車いすからストレッチャーへ移動したり、椅子から便座や浴槽などへ乗り移ることをいいます。1人では体を自由に動かせず、介護者の助けがないと乗り移れない際に必要です。
介護の世界で移乗は基本的なスキルですが、人の手だけで移乗するのが難しい場合、福祉用具や機械を使って移乗するケースもあります。
体位変換・移乗が必要な理由
長時間、同じ姿勢のままでいると、血流が体の同じ部分に集中して、正常な血流を妨げてしまいます。
こまめに体位を動かしてあげないと、血行不良となり血行障害や床ずれを起こしやすくなるのです。
また、慢性的な血行不良は、心肺機能の低下を招く原因にもなってしまいます。血液の流れを滞らせないためにも、体位変換は重要です。
移乗はベッドからトイレへ行くときや入浴時など、移動しなくてはならないシーンで必要です。
介護する人が1人で移乗できるケースもありますが、介護者の体型や体の状況によっては2人で行う場合もあります。
体位変換時に注意すべきポイント
介護を受ける人が不安にならないよう、声をかけながらやさしく行うことが大切です。
体の動かないところを無理に引っ張って動かそうとすると、ケガの原因にもつながります。これからどのような体勢に動かすのか、必ず利用者に声掛けを行ってから行動しましょう。
また、介助する側の体に負担がかかりすぎてケガにつながらないよう、少ない力で介助ができる工夫も大切です。ベッドの高さや力加減などを考慮した上で、無理のない体位変換ができるようにしましょう。